迎え火という言葉は今でも耳にしますが、実際に迎え火を燃やしているところを目にする事はほぼなくなりましたよね。
先ず「迎え火」とは?
迎え火とは、神霊や客人を迎えるために燃やす火であり、婚礼やお葬式にも使われています。
ですが迎え火と言うと、一般的にはお盆にご先祖の霊を迎えるために燃やした火のことを言うようになりました。
ご先祖はその火を目印に帰って来られます。
迎え火はいつから始まったものなの?
地域ごとで行われる迎え火はかなり以前からあったものですが、行事として行われるようになった迎え火は江戸時代の頃だと言われています。
こういうやり方?お盆で迎え火について
家の門口や玄関で、素焼きの焙烙にオガラを折って積み重ねて、そこへ火をつける。
これが一般的な迎え火と言われていますが、地域によって違いもあります。
焙烙は仏壇店で購入出来ますし、オガラは花屋やスーパーやホームセンターで購入出来ます。
ちなみにオガラとは、麻の皮を剥いだあとに残る芯の部分です。
また焙烙がなければ、耐熱の平皿を使って行っても大丈夫です。
時間帯はこのあたり?お盆の時期にする迎え火
地域によって違いがありますが、一般的には関東方面は旧暦の7月13日、関西方面は8月13日と言われており、どちらも夕刻から行われるものです。
浄土真宗の迎え火
浄土真宗では、故人は全員極楽浄土へ往生しているという考えのため、迎え火もそのあとの送り火もしません。
マンションの人はどうすればいいの?
マンション住まいの方は、さすがに家の玄関口で迎え火をすることは出来ませんよね。
かと言って、テラスやベランダで迎え火をすることも難しいと思います。
今ではマンション住まいの方だけではなく、火災などの心配から迎え火を行わず、盆提灯を飾っておられる家が増えています。
盆提灯もロウソクではなく、電池灯の盆提灯もあります。
その盆提灯も迎え火や送り火の役割になりますので、無理に迎え火を燃やすことはせず、盆提灯でも問題はありません。
牛と馬
お盆には精霊棚も用意され、そこにナスやキュウリで作られた牛や馬の置物が置かれていると思います。
ご先祖さまがゆっくり帰ってこられるように「牛」を、ご先祖さまが早く帰って来られるように「馬」を用意していると言われています。
今年は送り火もしくは盆提灯と一緒に、牛や馬をかたどった物もご用意してみては如何でしょう?
まとめ
もちろん昔ながらの方法で、迎え火を用意出来るのであれば用意する事が一番いいかと思いますが、全てをキチンと決められた通りに用意する事より、ご先祖さまをお迎えし、日頃の感謝に手を合わせることの方が大切だと思います。
今年のお盆は、ご先祖さまの知らなかった一面を親戚の方々から聞いて、ご先祖さまを偲んでみられてはいかがでしょうか?