実は、Windows7を10にするだけだったら今でも無料でできるんです。
じゃあ、なんでみんなやらないの?それは・・・
トラブルに巻き込まれたくない
過去にマイクロソフトが大々的に行ったWindows10無償アップグレードキャンペーンではトラブルが続発し、メーカー、販売店、プロバイダーは散々な目に会いました。
トラブルが起きるくらいだったら新しいパソコンを買ってもらった方が問題は起きにくいし、お客様も納得するのです。
でも、あることをするとトラブルが起きるどころか、10年使ってきたパソコンでさえ快適に動くようになって安心してWindows10にアップグレードできるようになります。
そのあることとは、HDDをSSDに交換することです。
プロは必ず交換します。
これにはしっかりとした理由があります。
プロはそのままアップグレードしません。
その理由とは?
Windows10自体は軽いOSとして設計されていますが、Windowsアップデートとマイクロソフトストアアプリの更新が半端ないデータ量でHDDへの書き込みするため処理が間に合わず、パソコンがうごかなくなってしまうからです。
わかりにくいので生徒と先生の関係で例えてみましょう。
Windows10君がより良いパソコンになるためにWindowsアップデート先生とマイクロソフトストア先生、1人の生徒に対して2人の先生がいます。
この先生たちは非常に熱心で、常にWindows10君に新しいことを覚えさせようとします。
それも同時に。
Windows10君は教えてもらったことを一生懸命ノートに手書きで書き込み続けます。
するとどうなるか?
こうなります。
ノートへの書き込みだけで精一杯になってしまって他のことができなくなってしまうのです。
これはどんなに頭の良いWindows10君でも同じことが起こります。
実は新品のWindows10君を買ってもです。
ここで注目していただきたいのは「手書きノート」です。
手書きだとどうしても書き込む速度に限界があります。
なので、これからはWindows10君にはこれを使ってもらいます。
いわゆる「タブレット」です。
これなら手書きノートよりも圧倒的に書き込む速度が速くなり、Windowsアップデート先生とマイクロソフトストア先生が同時に新しいことを教えてもすんなりと処理できます。
ここで説明した「手書きノート」はHDD(ハードディスクドライブ)のことで、「タブレット」はSSD(ソリッドステートドライブ)を指します。
手書きノート=HDD < タブレット=SSD
Windows10君にはタブレットを使ってもらわないと快適に動くことはない。
プロはこれが分かっているのでパソコンが新しくても古くても手書きノートを使わせることはしません。
だから、Windows7のアップグレードでまず最初にすべきことは「手書きノートをタブレットに交換すること」(→これをSSD換装と言います)なのです。
手書きノートをタブレットに交換するー準備編
(HDDをSSDに交換する)
HDDからSSDへの交換と聞くと一気に難易度が上がるように思えますが、手順通りやっていけばそんなに難しいことではないのでチャレンジしてみてください。
まずは準備からです。
- SSD サムスンEVO860 500GB 必須
- HDDケース 必須
- USBメモリ 推奨
- 精密ドライバー 推奨
- 3.5inchマウントベイ デスクトップは必須
順番に説明していきます。
① SSD サムスンEVO860 500GB
数あるメーカーの中でなぜサムスンが良いかというと、メーカーとしての信頼性が高いということもありますが、付属のデータクローンソフトが非常に使いやすく、エラーも出にくいという理由からです。
② SATA-USB 3.0 変換ケーブル 2.5インチ SSD/HDD用
メーカーはどこでも構いませんが、データクローン時にSSDとパソコンをつなぐケーブルとして使います。
③ USBメモリ
作業時間を短縮させたい場合は買っておいたほうが良いのですが、USBメモリは必須ではないです。
これもメーカーはどこでも構いません。16GBもあれば容量的には足りますが、32GBくらいあると安心です。
注意点としてはUSB3.0もしくは3.1のものを買うようにしてください。同じ容量で安いものはUSB2.0という古い規格のものです。HDDと同じように速度が遅いので余計に時間がかかってしまいます。
④ 精密ドライバー
ネジが落ちないように磁石がついているのと、左手で固定して右手は回転できる仕組みになっているのが使いやすいです。小さめのドライバーが家にあって、それでパソコンのネジが回せるようであればこちらは購入しなくても大丈夫です。
⑤ 3.5inchマウントベイ
デスクトップパソコンの場合はHDDのサイズが大きいのでこちらのマウントベイを用意しておく必要があります。SSDは基本2.5inchなのでデスクトップに取り付ける場合はこのようなアダプターが必要となります。
⑥ HDDケース
取り出したHDDを外付けHDDとして使えるようにします。HDDは容量が比較的大きいので写真や音楽、動画などを保存しておく際には重宝します。
手書きノートをタブレットに交換するー実践編
(HDDをSSDに交換する)
準備が整ったらいよいよ作業開始です。
まずはSSDとパソコンを変換ケーブルでつなぎます。
HDDのデータをクローンコピーするソフトを以下のURLからダウンロードします。
サムスンのデータクローンソフトウェア Data Migration Software(直リンク)
リンク切れの場合は公式サイトよりダウンロードしてください。
https://www.samsung.com/semiconductor/minisite/jp/support/tools/
ダウンロードできたらパソコンにインストールします。
どんどん進めていきます。
どんどん進めていきます。
どんどん進めていきます。
インストールが終わったらそのまま開始をクリックします。
ソフトが自動的にディスク容量を計算してくれます。(少し時間がかかるかも)
Dドライブにデータがある場合はターゲットディスク右側の「+」を押すことで追加することができます。
あとは開始をクリックして完了するまで待ちましょう。
HDDの状態が悪かったり、パソコンのUSB規格が古かったりするとデータを移すだけで2~3時間かかることもあります。
※注1、この間、途中でスリープに入って作業が中断しないように電源設定を変更しておくことをオススメします。
コントロールパネル→ハードウェアとサウンド→電源オプションのコンピューターがスリープ状態になる時間を変更で「適用しない」にしておきましょう。
※注2、この段階でエラーが発生してクローンコピーが失敗してしまう場合があります。
パソコンがウィルスに感染しておかしくなっていたり、システムエラーが出ているままの状態であったり、一度Windows10にアップグレードしたOSを7に戻していたり、ディスクエラーが発生していたりするとクローンコピーは失敗する可能性が高くなります。
この場合、データは移さずSSDを空の状態で交換して、リカバリメディアでインストールするか、Windows10をそのままインストールする方法に切り替えることになります。
データはUSBメモリや外付けHDDで手動で移し、必要なソフト(MSオフィスや年賀状ソフトなど)は再インストールします。この段階になってくると難易度が格段に上がってきます。
※注3、SSD換装する前にWindows10へアップグレードしようとすると書き込み速度が遅いために余計に時間がかかります。
時間短縮のためにもSSD換装後にWindows10へのアップグレードを行いましょう。
HDDを取り外しSSDに交換する
パソコンの電源アダプタを外し、バッテリーも取り外せるなら取り外しておきます。(感電したり、ショートしたりするのを防ぐためです)
パソコンの裏側のネジをドライバーで外していきます。
このマニュアルを作成するために使用したパソコンはSonyのVaioでしたが、かなり精密に作られているためHDDを取り外すのが大変でした。
機種によってはネジ2本くらいでHDDが外せるものもあります。
ネットで「機種名 分解」「機種名 HDD交換」などと検索するとパソコンを分解する方法を解説してくれている方がいるので、分解に自信がない方は参考にしてみてください。
このパソコンの場合なら「SVF15N18DJB 分解」「SVF15N18DJB HDD交換」という感じです。
ちなみにこのパソコンはかなり複雑な方ですが、NEC、富士通、東芝、レノボ、ACER、ASUS、DELL、HPのノートパソコンであればここまで複雑な機種は滅多にないので安心してください。
HDDとSSDの交換ができたら元通りにネジを締めていきます。
ここまでできたらあともう一息です!
いよいよ佳境!Windows7を10にアップグレード
こちらのマイクロソフト公式サイトよりWindows10アップグレードプログラムをダウンロードします。
https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10
マイクロソフトメディア作成ツールというものがダウンロードされますので、起動して進めていきます。
パソコンにインストールして進めていけばいいのですが、事前にUSBメモリに保存しておくことで作業時間を短縮することが可能です。
Windows10のインストール画面が始まります。
「次へ」をクリックします。
更新プログラムのダウンロードが始まるので次の表示に切り替わるまで待ちましょう。
引き継ぐ項目は個人用ファイルとアプリを引き継ぐにして次へと進めます。
この段階でWindows10には引き継げないソフトウェアが見つかる場合があります。アンインストールして次に進めていきます。
適用される通知とライセンス条項が表示されますので「同意する」をクリックします。
インストール準備完了となったらいよいよWindows10のインストールです。
「インストール」をクリックします。
このまましばらく待ちましょう。
インストールが終了するとデバイスのプライバシー設定の選択画面が出てきます。特に変更する必要はないのでそのまま「同意」をクリックします。
Microsoft Edgeの画面が表示されます。
言語選択画面になっているので日本語を選択します。
これでWindows10のアップグレードは完了です!
場合によっては無線が切れたり、プリンタが印刷できなくなっていたり、CD/DVDが読み込めなくなったりするので確認してみてください。
Windows10アップグレード後に不具合が起きた場合、もし頼れる人が周りにいないのであれば、パソコンの出張サポートを依頼するのも手です。
こちらは割安な料金でパソコンを見てくれるGOGという業者さんです。
全国対応なのでどの地域からでもプロに依頼できるのが強みです。
万が一の時は連絡してみてください。
終わりに
Windows7のサポートが2020年1月14日に終了しますが、だからといって使えるパソコンを買い換えて捨ててしまうのは非常にもったいないことです。
お金はもちろんのこと、買物や再設定にかかる時間、エコの観点からしても今あるパソコンを使い続けられるのであればそれが一番いいと思いませんか?
わかればできる、できたらやりたくなる、やってみたら意外と簡単…かもしれません。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね!